アールグレイ 〜伯爵の愛したお茶〜
アールグレイは、ベルガモットで香りづけをした、フレーバードティーの元祖とも言えるお茶。その名のアールとは、貴族の爵位である伯爵のこと。アールグレイは、1830年代にイギリスの首相を務めたグレイ伯爵(1764〜1845)という、実在の人物の名を冠したお茶なのです。
- 伯爵が作ったお茶、アールグレイ
- アールグレイの誕生には、いくつかのエピソードがあるようです。ルピシアでは以前、中国使節団が持ち帰った紅茶の起源とも言えるお茶を、グレイ伯爵が大変お気に召し、それに似せたお茶を作らせたのが、アールグレイだったというお話をご紹介しました。
アフタヌーンティーなど、現在の紅茶文化発祥の地であるイギリスでは、どのようなお話が伝わっているのでしょうか。調べてみると、グレイ伯爵が住んでいた館で、アールグレイティーが誕生したという情報が。しかも、その館はイギリス北東部のホーウィック地方に現存し、グレイ伯爵の末裔にあたるホーウィック子爵という方がお住まいとのこと。こうなったら現地で確かめるしかありません。ルピシアだより取材班は一路イギリスへ飛びました。
- いざ、アールグレイの故郷へ!
- 成田からイギリス・ロンドンまで飛行機で12時間、さらに国内線の飛行機を乗り継いで1時間。到着したのはイギリス北東部の都市ニューカッスル。訪れたのは11月でしたが、肌を刺すような寒さは日本の真冬のよう。北緯54度(北海道のさらに北)に位置するので覚悟はしていましたが本当に寒い。目的地のホーウィックホールは、ここからさらに北へ60km。イギリスといえば思い浮かべるような霧と曇天の中、約1時間のドライブでホーウィック地方に到着です。
- 200年の時を超え今に残る館と庭園
- グレイ伯爵が住んでいた200年前の姿を残す館は、ホーウィックホールと呼ばれています。管理人のアンドリューさんにお話を伺いながら、敷地内をご案内いただきました。広さは26エーカー(東京ドーム2個分)。英国式庭園を中心に、グレイ伯爵の時代から現在まで、日本や中国など、世界中から集められた3,000種類以上の植物が育てられています。敷地内には川も流れ、菜園や教会、羊の放牧地もあるという、イギリス貴族の権勢を感じる壮大さ!
伝わっているお話によると、この館をグレイ伯爵はこよなく愛し、政治家としての活動はロンドンが中心でしたが、できる限りこちらで過ごすようにしていたようです。15人いた子供もロンドンではなく、ここで育て上げたといいます。また、菜園で作った野菜や果物をロンドンへ送っていたほどでした。
伯爵の子孫が語るアールグレイ誕生秘話
- 敷地内を一通りご案内いただいた後、現在この館にお住まいのホーウィック子爵にお会いし、インタビューを行いました。グレイ伯爵の末裔にあたる彼も若き日々は、日本や中国などへ植物を探しに旅をしたという、まさに現代のプラントハンター。庭をこよなく愛する子爵に、アールグレイの誕生に関するお話を伺いました。
「アールグレイは、ホーウィックの水に合わせて、特別にブレンドされたお茶です。そう伝わっています。」
ホーウィックの水は、石灰質で硬度が高い水でした。この館の水でおいしく味わうために作られたお茶が、柑橘の一種・ベルガモットで香りづけをしたアールグレイだったのです。グレイ伯爵が愛した館で、好きなお茶を楽しむために誕生した、まさに伯爵の愛したお茶だったのです。
- 取材中、出会ったイギリスの人々やお茶の専門家に、一つの質問をしました。最もポピュラーなお茶は何ですか? その答えのほとんどがアールグレイ。 グレイ伯爵の愛したお茶は、誕生から150年以上がたった現在、イギリスの最も愛するお茶になっていました。そして、世界中で様々なアールグレイが作られているように、今なお進化し続けているお茶であることを確信しました。
ウェブオリジナルコンテンツ
- ホーウィック子爵へのインタビュー
- ホーウィック子爵へのインタビューは1時間に及びました。本誌では掲載しきれなかった内容をご紹介します。
CHARLES SND EARL GREY
EARL GREY TEA HOUSE
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- ルピシアだより 次号3月号は2月23日(木)刊行
- 次号「ルピシアだより」3月号の刊行日は、2月23日(木)となります。
おたより会員の皆様には、この期日までに次号をお届けする予定です。
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