かつて東西を問わず上質なお茶は、女王陛下や皇帝に代表される特権階級のよろこびであり、上流階級の社交のたしなみであり、特別な僧侶や修道士のみが扱うことの出来る薬草。時に黄金と同じ価値を認められた、高価な嗜好品(しこうひん)でした。
お茶をすべて海外から輸入していたヨーロッパの人々の間では、茶がらを乾燥させて再利用したり、身近なハーブなどで増量するのは普通のことでした。茶葉はそれだけ稀少なものだったのです。
中国や日本などお茶を生産するアジアの国々でも、伝統的に有名産地と無名の産地、春の新茶と古い茶葉などをブレンドすることは、安定した供給や品質保持のための技術のひとつ。特にお茶の保存や梱包が難しかった近代以前、茶師にとって大きな腕のみせどころでした。
また歴史をたどると、安易な利益を求める人々による偽物のお茶や、産地の偽装、お茶以外の植物や添加物で増量された茶葉によるトラブルといった記録も少なからず残されています。
お茶が世界中の人々の暮らしの中で気軽な飲み物となった今日でも、こういったお茶の取引や流通をめぐる不透明な状況が、完全に「過去のこと」になっているとは決して言い切れません。
そんな中、ルピシアはお茶に対して誇りを持ち、お客さまと同じ目線で向き合い、常に正直にまじめであることを第一のモットーとし、なによりも品質にこだわり続けてきたのです。