ルピシアだより 2014年9月号
この特集は、ルピシアだより2014年9月号に掲載した内容です。ルピシアだよりとは?
チェック
あふれる香りの鮮烈 くちなし&ジャスミン花茶

上質な台湾茶に、花で香り付けをして作る台湾花茶。台湾でも数少ない花茶の匠とともに作り上げた驚きの香りと味わいをお届けします。

茶葉の中で花ひらく

花の香りを茶葉に吸わせて香り付けする花茶の中でも、最も代表的なのがジャスミン茶です。贅沢にも、香り付けに使われるのは開花寸前の蕾(つぼみ)だけ。丁寧に手摘みされた蕾は、茶葉と混ぜて寝かせておくことで、茶葉の中で花が開いて香りが移っていきます。

天然の花で香りを付けるのは、くちなし茶も同じです。どちらも香り付けの工程はすべて手作業。しかも今回ご紹介する花茶のように、ころっとした丸い茶葉が特徴の台湾茶に絶妙なバランスで香り付けするのは至難の業。それだけに、台湾花茶は大変希少なものなのです。

二人三脚でついに完成

ルピシアのためにオリジナルの花茶を作ってくださった顧進添(グゥ・ジンティエン)さんは、この道30年の花茶職人。その日の気温や湿度に合わせて、花と茶葉が触れ合う密度や混ぜ合わせ具合を微妙に調節するなど、独自のノウハウを磨いてきた大ベテランです。

今回のコラボレーションは、顧さんの作る花茶のあふれんばかりの香り立ちに感銘を受けたバイヤーが、現地に足しげく通ってようやく実現したもの。ベースのお茶もそれぞれの花の香りとの相性を考えてルピシアが選び抜きました。上質な台湾烏龍茶と摘みたての花が織りなす華やかな香りと清らかな風味を、心ゆくまでご堪能ください。

甘い芳香、くちなし

雨上がりの夕暮れ時、ふと鼻をくすぐる甘い香り。生け垣に咲き誇る純白のくちなしの花は、夜になると一層濃密で、艶っぽい香りを漂わせます。楊貴妃もこの上品な香りを好み、宮中でその練香(ねりこう)を毎日焚いていたそう。欧米では男性が女性をダンスパーティーに誘う時、この花を贈る風習があります。

くちなし

魅惑の香気、ジャスミン

夜になると可憐な白い花を咲かせ、エキゾチックで甘美な香りを放つジャスミン。クレオパトラが愛したことでも有名で、この香りを身にまとってローマの英雄たちを次々と虜(とりこ)にしたという逸話があるほど。陶酔感や高揚感を誘う豊かな香りは、ゆったりと気分を解放し、自信や勇気を取り戻させてくれます。

くちなし

バイヤーからひとこと

一般的な花茶には中国緑茶ベースのものが多く、その味わいはシャープな印象。対して、台湾烏龍茶で作ったジャスミン茶やくちなし茶は、味と香りが優しく溶け合って広がります。特に顧さんの花茶は、花畑の中にいるかのような鮮烈な香りと澄んだ味わいが魅力。私たちも現地で驚いた感動の風味を、ぜひお試しください。
バイヤー 杉

バイヤーからひとこと
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