ルピシアだより 2015年4月号
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特集1:摘みたての風味が続々到着 「季節のお茶」を楽しもう
今年も新茶の季節がいよいよスタート。
旬のお茶はどうしてこんなにおいしいのでしょう?
その秘密に迫ります!

産地で異なるお茶の旬

野菜や果物に旬があるように、お茶にも格別おいしくなる季節=クオリティーシーズンがあるのをご存知ですか?日本茶の旬は、春〜初夏にかけての新茶シーズン。でも、世界に目を向ければクオリティーシーズンは春だけとは限りません。ダージリンのように、春・夏・秋と年に三回も旬が訪れるエリアもあるんです。

クオリティーシーズンのお茶は、その時期ならではの味や香りにとりわけ優れているのが特徴。でも、その要因は産地によって様々です。代表的な産地の例とともに、旬のお茶がおいしくなる理由を見てみましょう。

1.冬の間に栄養を蓄積

例えば、その年最初の新芽で作る一番茶の場合には、冬の休眠期間と茶葉がゆっくり成長するための適度な気温がおいしさのポイント。日本の新茶をはじめ、ダージリン・ファーストフラッシュや台湾烏龍茶、中国緑茶の西湖龍井(シーフーロンジン)など、春摘みのお茶がそれに当たります。

もともと暖かい地域が原産のお茶の木にとって、寒い冬は成長を止めて栄養を蓄える季節。やがて春がくると、栄養分をたっぷり含んだ新芽が一斉に芽吹きます。そこから気温が20℃程度に上がるまで、時間をかけてゆっくり成長する新芽には、テアニンなどの甘み成分がぎゅっと凝縮。その新芽だけを摘み取って作られるから、新茶は特別香り高く、甘みの引き立ったお茶になるというわけです。

2.太陽が育むコクと香り

インド最大の紅茶産地アッサムでは、日光が紅茶のおいしさに大きく関係しています。

アッサムを原産とするアッサム種の茶葉は、中国種に比べてタンニンを多く含むのが特徴。タンニンは、紅茶のコクやボディ感、香りなどに大きな影響を与える成分で、日照量が増えるほど大量に生成されます。

アッサム紅茶特有の力強く濃厚な風味、深みのある赤い水色(すいしょく:お茶の色)は、この豊富に含まれるタンニンによるもの。特に、太陽の光をたっぷりと浴びて育った夏摘みが、クオリティーシーズンの紅茶と言われます。

3.乾燥で風味が凝縮

スリランカや南インドのニルギリでは、モンスーンの影響による乾燥がお茶の風味を決める最大のカギ。山から吹き下ろす冷たく乾いた風に当たりながら、茶葉がゆっくり育つことで、成分の凝縮したおいしいお茶になるからです。

その時期はモンスーンの吹く方向によってエリアごとに異なります。中央山脈を挟んで南東側のウバでは7〜9月。山の西側に位置するディンブーラやヌワラエリヤ、南インドのニルギリでは、1〜3月(ニルギリは2月頃まで)に旬を迎えます。

とはいえ、お茶作りはコントロールのきかない自然相手の仕事。年によっては、収穫直前に降った雨でせっかくの凝縮した風味が落ちてしまい、バイヤーが泣く泣く買い付けを断念したことも。まさに旬のお茶は、自然が育む一期一会の味わいなのです。

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今だけの風味が続々と

今年もルピシアには、「今が飲みごろ」のおいしいお茶が世界中から届きます。今月は、日本一早い屋久島・種子島の新茶や、摘みたてのニルギリ紅茶も到着。これからも続々と届くその季節だけの特別な風味を、皆さんどうぞお楽しみに!