今年も新茶の季節がいよいよスタート。
旬のお茶はどうしてこんなにおいしいのでしょう?
その秘密に迫ります!
産地で異なるお茶の旬
野菜や果物に旬があるように、お茶にも格別おいしくなる季節=クオリティーシーズンがあるのをご存知ですか?日本茶の旬は、春〜初夏にかけての新茶シーズン。でも、世界に目を向ければクオリティーシーズンは春だけとは限りません。ダージリンのように、春・夏・秋と年に三回も旬が訪れるエリアもあるんです。
クオリティーシーズンのお茶は、その時期ならではの味や香りにとりわけ優れているのが特徴。でも、その要因は産地によって様々です。代表的な産地の例とともに、旬のお茶がおいしくなる理由を見てみましょう。
1.冬の間に栄養を蓄積
例えば、その年最初の新芽で作る一番茶の場合には、冬の休眠期間と茶葉がゆっくり成長するための適度な気温がおいしさのポイント。日本の新茶をはじめ、ダージリン・ファーストフラッシュや台湾烏龍茶、中国緑茶の西湖龍井(シーフーロンジン)など、春摘みのお茶がそれに当たります。
もともと暖かい地域が原産のお茶の木にとって、寒い冬は成長を止めて栄養を蓄える季節。やがて春がくると、栄養分をたっぷり含んだ新芽が一斉に芽吹きます。そこから気温が20℃程度に上がるまで、時間をかけてゆっくり成長する新芽には、テアニンなどの甘み成分がぎゅっと凝縮。その新芽だけを摘み取って作られるから、新茶は特別香り高く、甘みの引き立ったお茶になるというわけです。