古くから人類の良き友であるバラとお茶。
今月は、バラとお茶の意外な共通点や関わりなどティータイムに思わず披露したくなる5つのトピックをご紹介します。
Topic1. 薬から嗜好品へ
バラと人との関わりは4000年を越え、現在では2万5000種以上もの品種が存在すると言われています。これだけを見ても、バラが人類にとって特別な花であることは間違いありません。
バラの栽培は紀元前12世紀頃のペルシア地方(現在のイラン)で始まったとされています。当時は美を鑑賞するというよりも、香料や薬として重宝されたようです。
ローマ時代になると、バラへの関心は実用から愛でる対象へと広がっていきます。特に貴族の間で空前のバラブームが巻き起こりました。館はバラで埋め尽くされ、酒宴にはバラの香りの葡萄酒やお菓子、バラ水の噴水まであったとか。花の女王としての地位は、まさにこの時代に築き上げられたと言ってよいでしょう。
お茶もまた、最初は薬として扱われ、貴族の間で珍重された歴史があります。バラもお茶も実益を備えた魅力によって、人々の生活に深く根付いていったのです。