通勤や通学の途中、スマートフォンのアプリで占星術のカレンダーを確かめたり、朝のテレビの運勢診断のラッキーアイテムの小物や洋服などが無性に気になったり……。
21世紀になった現在も、占いやお守りなど古くから伝承されてきた「幸せを呼ぶ」ための知識や文化が無くなる気配はありません。むしろ携帯電話やタブレットなどの道具の進歩によって、日常的に親しめるようになっています。
そこで注目したいのが「縁起のよいお茶」についての言い伝えです。
そもそも「縁起」とは、とても古い仏教の言葉。今現在の状況や現象は、そこに至る様々な原因である「縁」の組み合わせによって作られているという考え方です。
よい結果はよい「縁」が作るから、先に「縁起がよい」ことを重ねていけば、自然と結果はよくなり、運が開いていく。悪い状況の原因は、その前にある悪い「縁」にあるから、「縁起が悪い」ことを回避する。
これら「縁起がよい・悪い」ことの組み合わせに関する先人の知恵は、仏教の教義とはすこし距離を保ちつつ、ことわざや民話などの形で伝わってきました。
なかには、時代や習慣が変化したことで、今日では本来の意味を失ってしまった伝承もあります。しかし、その内容には、今日を生きる私たちの暮らしの参考になる、深い意味が隠されていることも多いのです。