台湾では、ほぼ年間を通してお茶を生産しています。特においしい季節が春に摘まれた春茶と冬に摘まれた冬茶。鮮烈な香り高さが特徴の春茶に対し、冬茶は深みのある味わいが特徴だと言われています。
冬の茶葉は肉厚で、葉と葉の間隔も詰まっています。これは気温が下がるにつれ、生長がゆるやかになるため。寒さに抵抗して葉自体に栄養分をぎゅっと閉じ込めるのです。
「雨不足に悩まされた地域もありましたが、冬茶の良さが現れた上質なものを選りすぐっています。同じく気候の影響を受けた高山茶も、生産量は少量ながら品質は上々。粒ぞろいの逸品を入手できました」と買い付け担当者。
今、冬茶はまさに飲み頃。台湾茶を楽しむのに難しい約束ごとはありません。ご自宅でくつろぎながら、旬の一杯がもたらす至福のひと時に浸ってみませんか。
標高1000m以上で作られ、最高級の品質を誇る高山茶。空に向かって広がるような爽やかな香り――いわゆる「高山気(こうざんき)」と呼ばれる独特の香気と、ふくよかな甘み、なめらかな喉越しが魅力です。日差しを遮る霧、昼夜の寒暖差など高山特有の気象条件が育んだ、芳香成分や旨みをたっぷり蓄えた極上のお茶。生産量も少なく、大変稀少です。どうぞお見逃しなく。
おすすめは台湾茶最高峰とうたわれる威風堂々とした「大禹嶺 極品 冬摘み」。小ぶりで柔らかく厚い茶葉から冬の旨みが溢れ出します。美しい緑の水色、高貴で透明感のある味わいと豊かな余韻に思わずうっとり。生産量が年々減っていると言われる貴重なお茶をぜひご堪能ください。
景勝地としても有名な阿里山は、人気の高山茶産地。爽やかな香りとまろやかな飲み口に、甘く高貴な余韻が広がります。何煎も楽しめる逸品。
梨山の険しい山道を、車でひた走るバイヤーチーム。その先に待っていたのは、標高1800m、まさに天空の茶園! 青空の下、様々な樹木が自生する茶園の美しい景色に、高山茶の持つ生命力の源を実感しました。