ルピシアだより 2015年1月号
チェック

冬が旬のお茶 ダージリン オータムナル
一年でいちばん甘いダージリン

ダージリンで秋に摘まれたオータムナルが、いよいよ日本に到着しました!一度味わえば誰もがファンになってしまう、旬ならではのまろやかな「甘み」をお届けします。


甘い茶葉の秘密は?

インド北東部に広がる世界屈指の紅茶産地、ダージリンのクオリティーシーズン(旬)は、春・夏・秋と年に三回。なかでもその年の最後、10月下旬〜11月ごろに収穫されるのがオータムナル(秋摘み紅茶)です。

それぞれのクオリティーシーズンの特徴をダージリンで尋ねると、茶園マネージャーたちはみな、口を揃えてこう答えます。「春摘み紅茶はフレッシュ(新鮮)、夏摘み紅茶はメロウ(芳醇)、そして秋摘み紅茶はスウィート(甘い)。オータムナルは、ダージリンが一年でいちばん甘くなるシーズンなんだ」

その言葉通り、オータムナル最大の魅力は、円熟したまろやかな甘みにあります。「モンスーンが明けて乾季へと移り変わり、気温もぐっと下がるこの時期は、茶葉の成長がとっても緩やかになるの。茶樹にとって過酷な環境だけど、そのおかげで風味や甘みがぎゅっと詰まった、おいしいお茶ができるのよ」。ある茶園オーナーの奥様は、オータムナルの「甘さ」の秘密をそう教えてくれました。


旬の風味を気負わずに

収穫期間が短いために生産量が少ないオータムナルは、希少価値の高さも相まってお茶通たちを虜にしてきました。でも、そのとろけるような甘みと凝縮された深い味わいは、普段ダージリンを飲み慣れない方にもおすすめの親しみやすさ。上質でありながら、比較的リーズナブルに楽しめるのも嬉しいポイントです。

ストレートで味わえば、茶葉自体に蓄えられた自然の甘みにしみじみうっとり。さらに砂糖をほんの少し加えれば、オータムナル特有の甘みとコクが一層際立って、旬の特徴をよりわかりやすく感じることができます。

一年で最も寒くなるこれからの季節。愛好家の方も初めての方も、肩の力を抜いて旬のダージリンを楽しんでみませんか?きっと胸の奥まで温まる、優しいおいしさに出会えるはずです。