北海道とビール造り
北海道とビールの関わりは深く、それは明治初頭にさかのぼります。1869(明治2)年、蝦夷地あらため北海道となった地に開拓使が設置されます。続く1876(明治9)年、早くも開拓使麦酒醸造所が開業、北海道のビール造りの歴史が始まりました。原料となるホップが自生し、ビール大麦の栽培に適した北海道はビール造りに適した土地。ビール造りは北海道の新しい産業の一翼を担ったのです。ちなみに、この開拓使麦酒醸造所が後のサッポロビールです。
そしてもう一人、北海道とビールに縁のある人物に箱館戦争を闘った榎本武揚(えのもとたけあき)がいます。幕末、オランダ留学の経験を持つ榎本は、ビールに親しんだ初期の日本人。箱館戦争時、オランダから持ち帰ったビールを五稜郭の中で飲んだともいわれています。また維新後、獄中にあった榎本は出所の前祝いとして、差し入れのビールを飲んだというのですから驚きです。
余談ですが、ヴィラ ルピシアのあるニセコ町からニセコ連山を挟んだ海辺の町、岩内(いわない)町は、1871(明治4)年、北海道で初めて野生のホップが発見された場所として知られています。