冬の貴重な野菜
カボチャはウリ科の果菜で、アメリカ大陸が原産。日本への渡来には諸説ありますが、16世紀半ば、現在の大分県に漂着したポルトガル船が、現地の大名にカンボジアで採れた野菜を献上したのが最初だといわれています。この「カンボジアで採れた野菜」が訛って、カボチャと呼ばれるようになったとか。
北海道においても、明治時代、開拓使は積極的にカボチャの生産を奨励します。今日、北海道のカボチャ生産量は国内1位。国内生産量の約半数を占めるに至り、カボチャは北海道を代表する野菜の一つとなりました。
さて「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」という伝承をご存知の方も多いでしょう。カボチャはビタミンAを豊富に含む野菜。その昔は冬至(12月22日ごろ)まで保存が利く野菜はカボチャを含め、限られていたために、このような伝承が誕生したのではないかといわれています。カボチャは採れたてよりも、しばらく保存することにより、糖度が増し、おいしくなります。そんなことから、冬の野菜として珍重されたのでしょう。
余談ですが、近年、日本でも大いに盛り上がりを見せている秋のお祭り「ハロウィーン」のシンボルもカボチャ。ハロウィーンの起源はアイルランドのケルト民族の収穫祭。そもそも、その祭りのシンボルはカブ(蕪)でした。ヨーロッパからアメリカ大陸への移民により、ハロウィーンの習慣が伝わり、アメリカ大陸では、カブではなく、たくさん収穫されていたカボチャが用いられるようになったそうです。
ニセコでもお盆を過ぎると、駅前や道路の脇にたくさんのハロウィーンのカボチャが置かれ、町全体が華やぎます。