ルピシアだより 2018年12月号
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お茶で温活。 お茶で温活。

本格的な冬の到来。“冷え”の対策はできていますか。体と心の健康を守る、温活習慣を始めましょう。

実はあなたも?増加する冷え症

いよいよ冬本番。厳しい寒さの訪れとともに、体の“冷え”に毎年頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。毎年繰り返す、しもやけやあかぎれ。おやすみ前、手足の先が冷えてなかなか寝付けない。こういった悩みは一例にすぎず、冷えが様々な不調の原因となりうることは広く知られるようになりました。

冷え症は人によって症状が異なるという特徴があります。体が火照りやすく汗をかきやすいため、自分は無関係だと思っている方も、実は「隠れ冷え症」の可能性も。冷え症人口は年々増加傾向にあり、その数は成人のおよそ7割とも言われるほど。食生活の乱れや過剰な冷房、運動不足、ストレスなどがその波を加速させ、冷えは今や見過ごせない現代病の一つとなりつつあります。

冷え取り習慣「温活」のすすめ

冷えが健康に大きく影響することは医学的にも証明されていて、体温が1℃下がると代謝量は12〜20%、免疫力は30%下がると言われています。また、体だけでなく心のバランスも崩し、「なんだか疲れが取れない」という慢性的な疲労にも繋がります。冬場は特に体が冷えやすいため、意識して冷え対策を行わねばなりません。

そんな中、今注目されているのが「温活」。心身の健康を保つために「日頃から体を温めて過ごす活動」を表した言葉です。基礎体温を1℃上げることを指針に、生活習慣を見直す取り組みが広がり始めています。

先に触れた通り、一口に冷え症と言ってもその症状は様々。手足の先だけが冷たくなる「末端冷え」、下半身が冷えてむくみやすい「下半身冷え」、主に食生活により内臓が冷える「内側冷え」、そしてそのすべてを併せ持つ「全身冷え」など、体の冷える部分によって分類されます。症状に個人差があるのは、体を冷やしてしまう原因がそれぞれ異なるため。つまり、冷えのタイプごとに適した温活をする必要があるのです。

冷え症の種類とおすすめの温活
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症状ごとに見る効果的な温活

タイプ別の症状に心当たりがあれば、今日にでも温活をスタートしましょう。

末端冷えの方には、体を外から温める方法がおすすめ。服装を選ぶ際は手足の先の血流をにぶらせないよう、首・手首・足首の「3つの首」を保温することがポイントです。外出時だけでなく室内でも、ネックウォーマーや厚手の靴下を着用しましょう。

内側冷えの方には、体の内側から温まる方法がおすすめ。運動不足などで筋肉が落ちている可能性が高いため、適度な運動が必要です。ウォーキングやストレッチなどで体を動かし、冷えにくい体づくりを心がけてください。

意外なことに、冷え症の中にはストレスが原因のものもあります。顔や上半身が火照りやすいのに足が冷たい下半身冷えの方は、このタイプ。体と心に溜まった疲れは半身浴で温まるなど、リラックスタイムを過ごして解消しましょう。お好みの香りのアロマオイルを浴槽に数滴垂らすと、より効果的にストレスを軽減できます。

陰と陽?温活に向く食べもの

温活の第一歩は生活習慣の改善が基本。服装や入浴で工夫することに加え、食生活の見直しも不可欠です。栄養バランスを考えた食事をとるべきですが、食品の中には体を冷やしてしまうものもあります。

東洋医学の考えでは、暑い土地で栽培されたり、夏に旬を迎える食べものは体温を下げる「陰性食品」、寒い土地で栽培されたり、冬に旬を迎える食べものは体を温める「陽性食品」と呼ばれ、かつては食事をとることで自然に体温調節ができていました。

しかし、季節や場所をまたいであらゆる食材が簡単に手に入るようになった今、体温調節機能をにぶらせる原因の一つに、偏った食生活があるのも事実です。

陽性食品には、色の濃いもの、薬味やスパイス、水分の少ないものが挙げられます。具体的には、紅茶、生姜、りんご、黒豆、黒砂糖、赤身の肉や魚など。これらの食品を体温以上の温度で摂取するよう心がけましょう。

温活を始めることは難しくありません。普段の生活に+αすることで、今日からでも手軽に実践することができます。「ルピシア 温活レシピ」ページではタイプ別の冷えと上手に付き合うためのお茶をご紹介しますので、この冬のおいしい温活習慣に取り入れてみてください。

<参考文献>
『医師が教える冷え取り生活のススメ』/川嶋朗 著