節分に豆をまく理由
節分とは本来、季節の節目である立春、立夏、立秋、立冬の前日を指すもので、年に4回訪れます。しかし、旧暦では立春(2月4日頃)が一年の始まりにあたり、最も重要視されていたため、節分といえば2月3日頃を指すようになりました。
ところで皆さんは、なぜ節分に豆をまき、鬼を追い払うのかご存じでしょうか。それは、季節の分かれ目には邪気が入りやすいと考えられていたからです。鬼は邪気の象徴で、「鬼の目=魔目(まめ)」に豆をぶつけることは、「魔を滅する=魔滅(まめ)」に通じます。そこで、五穀の中でも穀霊が宿るとされる大豆をまいて、一年の無病息災を願うようになりました。
豆は世界の縁起物
日本では、節分をはじめ、季節の伝統行事に必ずと言っていいほど豆が登場します。おせち料理には黒豆やお多福豆。ひなまつりや端午の節句には、小豆あんを包んだ桜もちや柏もち。春と秋のお彼岸には、ぼたもちとおはぎ。結婚式や七五三などお祝いの席には、小豆やささげの入ったお赤飯が欠かせません。理由は諸説ありますが、昔から黒豆の黒色や小豆やささげの赤色には、邪気を払う力があると言われます。そうした縁起担ぎのために、日本人は節目節目で豆を取り入れてきたのでしょう。
縁起を担いで豆を食べる風習は、実は日本だけに限りません。アメリカ南部の正月料理には、ブラック・アイド・ピー(黒目豆)という豆を使った料理が出てきます。イタリアやハンガリー、ブラジルなどでは、大晦日やお正月にレンズ豆を食べます。どちらの豆も丸い形がコインに似ていることから、食べるとお金に困らないという言い伝えがあるのだそうです。