ルピシア グルマン通信2月 Vol.106 ルピシア グルマン通信2月 Vol.106
緊急開催!鍋奉行(なべぶぎょう)最高会議 緊急開催!鍋奉行(なべぶぎょう)最高会議

今号のテーマは『緊急開催!鍋奉行(なべぶぎょう)最高会議』。北海道産の旬の食材をフィーチャーし、毎月さまざまなメニューをご提案してきた『ルピシア グルマン』の植松シェフが過去のメニューを振り返るとともに、『ニセコ料理』のこれからについて語ります。

植松シェフ:今日は僕が作った鍋を召し上がっていただきながら、ぜひ皆さんの『鍋道(なべどう)』について熱く語っていただきたいと思います(笑)。リモート参加の狩野さんには事前に鍋のベースをお送りしてあります。どうぞよろしくお願いします。まず、皆さんはどんな鍋が好きですか?

ヒトミさん:私は魚介の鍋で育ちましたが「真だち(真だらの白子)」が入った鍋が大好きでした。正月にいただくキンキの入った鍋は忘れられない味です。それと、お野菜をたくさん食べたいときは鍋ですよね。

モロさん:私は鶏や豚などの肉系鍋が多いですね。それと締めではなく、最初からうどんを入れていただきます。

植松シェフ:さすが関西、「うどんすき」みたいですね。

ナツミさん:私も漁師町・岩内町(いわないちょう)出身で「真だち」など魚介の鍋で育ちました。初めて「火鍋」を食べた時は衝撃的でした。辛味が好きなので、こんなに素敵な鍋があるのか!?って、テンション上がりました(笑)。

植松シェフ:狩野さんはいかがですか?

狩野さん:私は冬になるとほぼ毎日お鍋なんです。お鍋の良いところは鍋一つでできるところ。洗い物が少なくて済みます(笑)。朝からストーブの上に鍋を置いて、具材をコトコト煮ています。で、夜になって、その日の気分で味を決めます。

植松シェフ:やっぱりハーブにはこだわって?

狩野さん:もちろん(笑)、どんな味にもハーブは欠かせません。出汁を取るにも、味変をするにもハーブ。味変だけではなく、香りが変わると新しい鍋になるんですよ。

植松シェフ:それは「香り変」ですね。

狩野さん:年齢を重ねると食が細くなりがちです。少ない量でより多くの栄養を取り入れたい。それに最適なのが鍋だと思うんです。

植松シェフ:そうですね。スープにいろいろな旨みや栄養が溶け出していますからね。

−ここで植松シェフが用意した5種類の鍋が登場。固唾を呑んで見守る鍋奉行たち。リモート先の狩野さんも鍋の準備ができたようです。

植松シェフ:それでは皆さん召し上がってください。

一同:わぁ、いい匂い!おいしそう!いただきます!

植松シェフ:皆さん、黙々と召し上がってますね(笑)。狩野さんは何を召し上がってますか?

狩野さん:はい、ハーブ鍋をいただいています。これはすごく香りがいい!感動的です!

ナツミさん:私もこのハーブ鍋は大好き。もう絶対、最後の一滴までスープを無駄にしたくないって感じ! ところでシェフ、こんなにたくさんの味のバリエーションをどうやって考えるのですか?

植松シェフ:まず何で出汁を取ろうか考えます。どんな鍋にも主役がいます。主役をどう引き立てるのか? それに合わせて出汁や周りの具材を考えていきます。

ヒトミさん:いやぁ、この胡麻味噌のスープはおいしいです。これは絶対に締めはラーメン!道東出身の私は縮れ細麺で決まりです!

植松シェフ:すごい、麺まで指定ですか(笑)!

モロさん:どれも本当に贅沢な味がしますね。でも、こんなに色々な味があっても「鍋は鍋」なんですね。

植松シェフ:海外だとブイヤベース、ポトフ、ボルシチなどがありますが、日本とはちょっと違いますね。日本の鍋はやはり器が重要なのかなと思っています。形は様々でも鍋に入っていることが鍋。本来、鍋って家庭などで食べるものですよね。鍋を食べる時には団欒がある。常に家族の真ん中にある温かい食べものが鍋です。

ヒトミさん:うーん、鍋は人を幸せにする何かがある気がします。鍋があるとお友達と集まる頻度が多くなりますから。

ナツミさん:コロナ禍の今は友達と集まることができないけど……でもみんなで鍋を作って「リモート鍋会」をするといいんじゃないですか。同じ出汁でも、好きな具材が違っていたりするのも楽しい!

一同:それはいい!

狩野さん:お鍋はそれぞれに家庭の味があると思いますが、シェフのこの鍋は「外食鍋」。この味が家庭で食べられるなんて!

ヒトミさん:そうそう、外食の味がする。でも優しい味!

モロさん:私も思いました。外食の味がする! って。

植松シェフ:狩野さんはハーブで味変しましたか?

狩野さん:はい、「エルブ ド ニセコ」を入れてみました。

モロさん:えっ、やってみよっ!

ナツミさん:一人暮らしでお鍋を作ると、ついつい量が増えて、翌日以降に持ち越してしまうんです。でも、1回で食べ切れる一人鍋っていいですね。毎日違う味の鍋が食べられるのは贅沢です。

モロさん:鍋の翌日の雑炊も魅力的ですけどね(笑)。

ヒトミさん:それにしてもいい香りが……家で作るのと何が違うんだろう?

植松シェフ:あははっ、どうやら鍋奉行の皆さんにも楽しんでいただけたようですね。本当によかったです。

一同:はい、ごちそうさまでした!!