なんでも作ることができる
今日の北海道の農業について、最大の特徴は「なんでも作ることができる」ということです。
道東では酪農、西へ向かうと麦、芋、豆、それに落花生まで。日高山脈を越えると野菜や果樹が増えてきます。これは北海道の気候に合わせて、多くの先人たちが繰り返し努力してきたお陰です。約150年前、最初の入植者たちは、生きるためにどんな可能性でも試しました。そうしたフロンティアスピリッツ溢れる先人たちの努力の成果が今日の北海道なのだと思います。
第二に、これを北海道だけの特徴と言っていいかという問題はありますが、近年の気候温暖化の傾向が挙げられます。たとえば主に高級赤ワインの醸造に使われるブドウ品種ピノ・ノワール(フランス・ブルゴーニュ地方原産)は、日本では長らく長野や山梨の栽培が北限とされていましたが、2000年ごろから平均気温の上昇に伴い、北海道余市(よいち)町や仁木(にき)町での収穫に成功しました。これは温暖化の影響といえるでしょう。