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インド・コルカタ チャイ巡りの旅 インド・コルカタ チャイ巡りの旅

本場のチャイの魅力を肌で感じるため、インド・コルカタを訪れたルピシアだより取材班。現地で取材した様々なチャイ店の様子を、写真を交えてたっぷりご紹介します。

チャイの店は、現地の言葉で「Chai Dukan(チャイ・ドゥカン)」と呼ばれます。コルカタの街には、小さな露店から現代的なカフェまで、無数のチャイ・ドゥカンが立ち並んでいました。

そんな中、私たち取材班は、現地の幅広い世代の方におすすめのチャイが飲める店を聞き、出来る限り回ってみることにしました。

サフランがリッチに香るチャイ

取材班が最初に訪れたのは、現地ティーテイスターが教えてくれた「ミルクと紅茶の味が良い」と評判のお店です。確かに、店前には大勢の人だかりが出来ていて、人気店の様子。ミドルクラスの人々が多く利用しているようです。

ルピシアだより10月号でもご紹介した通り、ここの名物はサフラン入りのチャイ。サフランの重厚な香りが広がる甘さを抑えたチャイは、なんともいえない高級感のある味わい。価格はサフランなしのチャイが20ルピー(約30円)なのに対して、サフラン入りは40ルピー(約60円)。倍の値段ではありますが、日常使いでこんなリッチな風味が楽しめるなんて・・・うらやましい限りです。

お茶請けとして注文したのは、定番のサモサ(インド風コロッケ)。パイ生地のような皮の中には、豆やジャガイモをすりつぶしてスパイスで風味付けした餡が包まれています。ほどよくスパイスの効いた上品な味わいで、サフラン入りのリッチなチャイとの相性が抜群でした。

  1. チャイの上からサフランをひとつまみトッピング。高級感が一気に漂います。
  2. お茶請けのサモサ。ほんのりスパイシーな餡が包まれています。
  3. サモサの皮だけがお茶請けとして販売されているのも面白い。クセのないクラッカーのような感覚であっさりと食べられます。

一日の疲れを癒す人気の店

続いて向かったのは、小さな屋台のような雰囲気のチャイ店。夕方6時、仕事帰りの人々で店の前はごった返していました。夕食の時間が遅いインドでは、小腹満たしのためにこの店に立ち寄るサラリーマンも少なくないのだとか。

実際、この店はチャイだけでなくお茶請けのバリエーションも豊富。定番のサモサはもちろん、ピーマンの肉詰めを揚げたボリュームたっぷりの軽食からスイーツまで色々とあって目移りしてしまうほどです。

肝心のチャイは、甘さも味もしっかり濃い目で、こっくりとした味わい。カルダモンを基調に、ジンジャーとシナモンがほのかに香る甘いチャイは満足感もたっぷりで、これぞインド!という印象でした。

  1. チャイとサモサをつまみながら一日の疲れを癒す人々。
  2. ボリューム満点のピーマンの肉詰め揚げ。スパイスが程よく、爽やかで絶品。日本にはない味わいです。
  3. 目の前で立ち上るこうばしい香りと、ジュワーっという音が食欲をそそります。
  4. 甘くて濃厚な味わいのチャイ。

日本人旅行客の間で話題の名店

日本人バックパッカーの間で話題のチャイ店があると聞いて、取材班が訪れたのは、路上マーケットが立ち並ぶ賑やかな繁華街にある小さな露店。大きな鍋と扇風機、溶岩のようなコンロが目を引く、一風変わった店構えです。この店の前だけものすごい人だかりが出来ているので、遠くからでも繁盛店と分かります。

人気の理由は、インスタントコーヒーをトッピングに振りかけたチャイ。ジンジャーがガツンと効いたチャイに、コーヒーのほろ苦さと香ばしさが相まって、思わずうなってしまうほどのおいしさ。一緒に出かけた現地のティーテイスターも、この店のことは知らなかったようで、「このコンビネーションにはやられたね!」と驚きの様子。インド人もびっくりの隠れた名店でした。

  1. 四六時中バーナーが炊かれ、熱風に包まれる店内。とにかく暑い。
  2. 店内には出来上がりを待つ人の行列が。
  3. インスタントコーヒーをチャイの上からトッピング。ジンジャーがしっかり効いたストロングな味わいです。
  4. 店の軒先でチャイを楽しむ人々。夜遊び中の若者たちも多い印象です。

ハイクラス御用達の有名店

打って変わって、こちらはイギリス植民地時代の面影を色濃く残すコルカタ旧市街のチャイ店。コルカタ市民なら知らない人はいないと言われる超有名店です。その知名度ゆえに、海外の結婚式に招待されてチャイを振舞うこともしばしばあるといいます。

行ってみると、朝8時にもかかわらず、店内は大賑わい。隣がインドの株式市場という立地から、この店のお客はハイクラスのビジネスマンも多く見られます。実際この日も、ベンツで乗り付け、チャイを求める人も少なくありませんでした。

そんな高級感漂う有名店のチャイは、紅茶が香り高く、ミルクのリッチな味わいとのバランスも抜群。カルダモンとジンジャーを効かせた王道のチャイでした。価格は25ルピー(約37円)と、相場より5ルピー(10円弱)ほど高めですが、大きめのクリに入って満足度は十分です。

しかもこの店のお茶請けは、サモサではなく英国式にトースト! マライ(牛乳を温めた時にできる膜を集めたもの)と呼ばれるクリームを塗って食べるのが名物なのだそう。まさに新聞片手にビジネスマンを気取りたくなるようなお店でした。

  1. 通りに並ぶパラソルの下、チャイとトーストで朝食を取るビジネスマンたち。
  2.  
  3. 奇をてらわない王道のチャイが人気の理由。サフランをトッピングして、よりリッチに味わってみました。
  4. マライクリームの上から砂糖をまぶしたトーストが、この店の名物お茶請け。
  5. マライ・トースト以外にも様々なトーストがあります。

軽食も充実の人気チャイ店

午後1時、ランチタイムに訪れたのは、揚げ物のこうばしい香りが漂う小さなチャイ店。こちらも、インドの人々がこぞっておすすめする名店です。

サモサやジャレビー(かりんとう風の甘い揚げ菓子)、プリ(揚げパン)などがずらりと並ぶ店内は、チャイドゥカンというよりレストランのような雰囲気。照りつける太陽の下、職人さんが大きな鍋で休まずサモサを揚げ続けています。おいしそうな香りにつられて、取材班も思わずたくさんのお茶請けを注文してしまいました。

もちろん、主役であるチャイも絶品。ミルクのリッチ感が際立っていて、とてもおいしいチャイでした。

  1. 炎天下の中、ひたすら揚げ物を揚げ続ける職人さん。
  2. 店内に並ぶたくさんのお茶請け。真ん中の渦巻き状の食べ物は、インドの国民的菓子のジャレビー。甘いかりんとうのような味わい。
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  4. ミルクの上質な風味が際立つチャイ。お茶請けとの相性も抜群でした。