ルピシアだより 2017年12月号
チェック
お茶とお酒

健康によいお茶と「百薬(ひゃくやく)の長」お酒はとっても相性がよい優れたパートナーです。

体に優しい組み合わせ

お茶とお酒を組み合わせる最大のメリットは、なんといっても体によいこと。お茶に含まれる成分には、お酒の悪酔いや二日酔い、脱水症状やむくみなどを和らげたり防ぐ手助けをしてくれます。例えば日本茶に多く含まれるカテキンには利尿作用があり、アルコールが体内で分解される過程でできるアセトアルデヒドなどの有害物質を体外に排出します。またお茶に含まれる覚醒成分カフェインは、適度にアルコールで麻痺した脳を活性化します。適量であれば「百薬の長」と呼ばれるお酒は、お茶をパートナーにすることで、体に負担をかけすぎることなく、より健康的に楽しめるのです。

冷(ひや)の日本酒には「和(やわ)らぎ冷茶」を

近年注目を集めている日本酒の味わい方に「和らぎ水」があります。

ウイスキーなどの蒸留酒と一緒に追い水(チェイサー)を楽しむ方法と同様に、日本酒を飲みながら、お酒とほぼ同量の水を飲むことで、酔いの速度がゆっくりに。体や感覚を休めるほどよい間合いにもなります。

この「和らぎ水」のおいしい進化系として、和らぎ冷茶=アイスティーを楽しんでみませんか?

「和らぎ冷茶」にオススメの水出しアイスティーの作り方は簡単です。フタ付きの清潔な容器に、お好みの日本茶の茶葉10gとミネラルウォーター1リットルを入れ、フタをして冷蔵庫で3〜5時間置き、茶葉を取り出したら完成です。衛生と風味のために作り置きはせず、24時間以内に飲みきりましょう。出来上がりを口に含み、濃いようでしたら召し上がる直前にミネラルウォーターで割るか、グラスに氷を多めに入れてお楽しみください。低温で水出し抽出することで、お茶のリラックス成分=テアニンがほどよくあり、アルコールの心地よい酩酊を邪魔しない、カフェイン少なめのまろやかな味わいに仕上がります。

日本酒の味わいを、水出しアイスティーでリフレッシュすれば、杯を重ねるごとにゆったりと感覚が研ぎ澄まされるような、和らいだ境地に至るでしょう。

ワインと紅茶をつなぐもの

お茶と甘いお菓子などの組み合わせがよいことは当然ですが、ワインとスイーツの組み合わせも最高です。特に赤ワインとチョコレート、小豆餡を使った和菓子や、白ワインとドライフルーツやタルト、和三盆などの組み合わせは、本当に味わい深いもの。そして紅茶とワイン、スイーツを一緒に味わえば、より大きな満足感を得ることができます。

まず茶葉の量も蒸らし時間も2/3程度に、さっぱりと薄めのノンシュガーストレートで仕上げた紅茶のカップ を準備します。そしてお好みのスイーツとワインの濃厚な味覚を楽しんだあと、紅茶で感覚をリセットしてみましょう。お好みでアイスティーでもOKです。

毎日の晩酌に、また会話が弾む特別なおもてなしに、紅茶とワイン、そしてスイーツの三位一体のささやかな口福と喜びの時間を、どうぞお楽しみください。

極上のウーロンハイ

世の中の多くの酒場やバーで出されるウーロンハイのベースのお茶は、RTD(Ready To Drink)とよばれる、あらかじめボトリングされたペットボトルや缶入の飲料製品がほとんど。大変に便利で使い勝手もよいのですが、工場で大量に抽出されたお茶の多くは、完成されてから実際に飲まれるまで長い時間を経ています。

だからでしょうか? ウーロンハイを長年愛飲してきたお酒愛好家ほど、茶葉から作った、いれたての烏龍茶で作ったウーロンハイを味わうと、その豊かな風味に大きな驚きの声を上げるのです。

さて、お茶専門店によるウーロンハイの作り方は、氷をたっぷり入れた耐熱グラスの中に、熱湯で抽出した作りたての烏龍茶と焼酎を加えてよく混ぜるだけ。焼酎とお茶の割合は1対1が基本ですが、お好みで濃さを調整してください。焼酎の気になるカロリーもお茶で割ることでひかえめに。お食事などとも相性のよい極上のウーロンハイの完成です。