製法について

大正時代に確立した「手揉み製茶」は、機械を使わず全ての揉み工程を職人の手作業で行うことが最大の特徴です。その製造は摘み取った茶葉を蒸籠(せいろ)などで蒸して加熱し、適度な柔らかさと水分量を保った状態にすることから始まります。
@「葉振い」
蒸した茶葉の水分を飛ばすために、焙炉(ほいろ)と呼ばれる温かい作業台の上で茶葉を優しく振り広げ、揉みに適した状態に整えます。
A「回転揉み」
茶葉を手で回転させながら、最初は軽く、徐々に力を加えていくことで茶葉の芯まで均一に熱と力が伝わるようにします。
B「玉解き」
回転揉みによって生じた茶葉の塊(玉)を丁寧に解きほぐします。
C「中上げ」・「助炭整備(清掃)」
一度茶葉を焙炉から取り出して、作業台を掃除する工程。茶葉に余計な焦げや不純物が付かないようにする重要な作業です。
D「揉切り」
両手を擦り合わせるような動きで茶葉に細かい
E「転繰揉み」
水分を飛ばしつつ、手の動きと力加減を変えながら茶葉にしっかりと
F「こくり」
茶葉を集めながら回転させ揉み込み、茶葉の形を整える作業。
G「乾燥」
全ての揉み作業を終えた茶葉を焙炉の熱で乾燥させ、香りと味わいを閉じ込めます。
ここまでで手揉み茶の荒茶が完成します。5 〜6 時間以上を要する手間のかかる工程です。この状態でも十分においしく飲むことができますが、商品として販売するためには、更に茶葉の選別や仕上げ乾燥を経て完成となります。

葉振いを準備するほぐし作業より。蒸したての新芽からは、みずみずしい野菜のような芳香が立ち昇る。
ITEM

朝比奈玉露 手揉み製法
宇治、八女と並ぶ玉露の名産地・静岡県朝比奈。 「岡部町茶手揉保存会」による、伝統的な手作業で6時間以上かけて仕上げられた手揉み玉露。
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